第13回 ラスベガス・ジャパンタイムス「武士道」

メディア記事

初日を拝む

読者のみなさん、明けまして、おめでとうございます。新しい年が良い年でありますよう、希望して止みません。

さて、日本では、元旦の「日の出」を楽しみます。それを、【初日の出を拝む】といいます。拝むという言葉は、神に祈るとき使われる言葉です。太陽を神とする風習は、世界中にありますが、日本では、尊敬する心を表す意味で、太陽を神と呼びます。全ての生物を育ててくれる、代えがたいもの。太陽に対して、そのような感謝と、今年もお願いする気持ちを込めて【拝む】のです。

太陽ばかりではありません。日本人は、ありとあらゆるものに、神を見て拝みます。それで、日本人は、八百万(やおよろず)の神を信仰していると言われています。しかしそれは、多神教とは違います。言うなれば、「世の中のすべては、神のものであるから尊い」という感謝の心から、すべてを神とみる信仰なのです。

今の登山家は、山に登ると「山を征服した」といいます、しかし、本来の日本人は、山も神様とみているので、「征服」という言葉は使いません。征服という言葉は、初めて英語を翻訳した時に出来た言葉なのです。日本人は「山に登ることができた」と感謝します。このように、本来の日本人は、あらゆるものと共存できるという考えを、持っているのです。

ところが、そのような素晴らしい日本人の心が、無慈悲な国の人々の圧迫で、変わりつつあります。それは、いけません。日本人は、例えどんな状況になろうとも、本来の日本人の誇りを失わず、いつまでも、誰とでも、仲よくして行かなければなりません。私は、今年も武道で、そのような心を鍛えていきます。いつか、読者のみなさんに、竜ヶ峯道場でお会いできれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました