第12回 ラスベガス・ジャパンタイムス「武士道」

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座禅の稽古

ラスベガス竜ヶ峯道場の稽古は、座禅から始まります。座禅は、仏教の一つの修行法ですが、心を安定させる最良の方法として、マインドフルネスやヨガの瞑想などにも取り入れられている優秀な修行法です。

竜ヶ峯道場では、その最も古い方法で座禅を行います。ライトを消して、線香を灯し、その香りに充たされながら、座って慎重に呼吸を数えます。呼吸を数えることは、とても大切なことで「数息観(すうそくかん)」と名付けられています。この単純な作業に集中できれば、心の安らぎが得られると言われています。

その安らかな心とは、人間が生まれたときに持っていた心で、「平常心(へいじょうしん)」と名付けられています。この平常心が、成長するに従って、欲望のために乱されます。その乱れを整えるのが、座禅なのです。座禅によって、再度、整えられた平常心は、再び乱れることはありません。その心を「不動心(ふどうしん)」と呼びます。

不動心とは、どのような出来事にも動揺しない、冷静な心と言う意味です。その心を持つ人の行いは、神と同じであり、私たちには【頼れる人】となります。

剣術の修業は、不動心が本物かどうか、それを試すことが目的です。日本刀の恐怖に惑わされることなく、正しく対応する心が出来れば、社会に於いては、人を導くことのできる立派な人間となります。このように、剣術は、人殺しのための訓練ではなく、人を育てる修練として行うのが真実の姿なのです。

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